箍(たが)を外す

前任の慶応時代を含めると、なんと16年目を迎えた大学の非常勤講師生活(ちなみに、このコラムは12年)。今春も明治学院大学の教室にどんなメンバーが集まってくれるのか、ちょっぴりドキドキしています。
講義のテーマは一貫して「イノベーションとクリエイティビティ」。新しい価値をつくって世の中を動かす能力について考え続けています。
そしてその際、最も重要なポイントとなるのは、生まれてこの方(?)ずっと「正しいことを、言う」「輪を乱さない」訓練を重ねてきた彼らの「箍(たが)」を外してあげることです。常識を覆す新しい視点は、必ず「個人の主観」が出発点になるので、それを恐れることなく口にできる雰囲気をつくり、それが習慣となるように心がけています。
毎年、彼らの成長には目を見張るものがあります。昨年も初回の講義ではモジモジしていた学生さんが、半年後の春学期末には面白いレポートを書いてくれました。(詳しくはこちら)そこで年度末、通年履修をした学生さんに課したのは「扇雀飴本舗(せんじゃくあめほんぽ)への新規事業提案」というテーマでした。
扇雀飴本舗は、創業100年を迎える大阪市の菓子メーカー。その社名は歌舞伎役者の二代目中村扇雀(のちの四代目坂田藤十郎)に由来し、近年では「はちみつ100%」や「直七」のヒットで知られています。
一方でハードキャン
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