経済的成長と備蓄

　経済的成長とは、その地域の所有財産が増えていくことにより裕福になっていく過程と示すモノだろう。それは、他地域から搾取して蓄えていく過程とも言えるはずだ。しかし、それは財産の生産が増えていくことで、私達の豊かさが増すことを意味するのだろうか。しかし、それは市場の価格調整メカニズムにより、財産が増えれば増えるほど価格が低下していくモノである。それは、貨幣も例外ではない。なぜなら、貨幣とは、あらゆる商品と交換できるために価値を創出しているだけで、あらゆる商品が魅力的ではなく大量に存在していれば貨幣の価値も同様に低下するはずだ。つまり、貨幣とは、あらゆる価値ある財の価値に裏付けされる形で価値を維持している商品なのである。その価値ある商品が価値を失えば貨幣はただの紙切れになるだろう。そのために、財を備蓄するとは、一つの財に集中して備蓄するのではなく、あらゆる種類の財を備蓄するモノであり、過去の物々交換の時代は集中して貨幣のような同じ財を所有していることはなかったはずだ。それは、あればあるほど価値を喪失してしまうという事実だ。しかし、貨幣はなぜ価値を維持できるだろう。それは上述したように、一つの商品の生産供給に全体が集中するのではなく、あらゆる違いのある商品に分散することでその商品等の価値を維持しているためだ。つまり、その商品等と交換できる貨幣とはそのあらゆる商品と交換できる万能性が増すほど

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