「デジタル資本主義」NRI此本臣吾社長監修、森健・日戸浩之著。
デジタル化で長期構造が変化し、従来の経済指標は陳腐化し、政策の方向がズレている。
ぼくが10年以上わだかまっていること、もやもやとうまく主張できていないことを、理論やデータに基づきストレートかつ重厚に打ち出してくれた好著。
本書のポイントは、
1. 消費者余剰、総余剰が重要であること
2. 資本主義が変容し、データ主導・知識生産性社会となること
この2点を説き起こしたことです。
1. 消費者余剰について。
2010年ごろから生活者が生活レベルが向上したと感じているという調査結果を示します。
ネットで利便性が増す一方、モノの価格、流通マージンなど財・サービスのコストが下がっている。GDPは停滞し賃金は低下傾向にあるが、生活の質が豊かになったという主観の現れです。
消費者余剰が上昇し、生産者余剰が下落しています。
消費者余剰は消費者の「お買い得感」であり、生産者余剰は価格vsコスト。
本書は、この総和である「総余剰」GDSが真の付加価値であり、新しい指標となるべきと説きます。
・・強く同意します。
サーチコストやコンテンツ複製コストがゼロになる。無料のデジタルサービスは消費者余剰のみを生み出す。それは生産者余剰を圧迫します。
そして、生産者余剰は客観的な数値で弾き出されGDPに反映されるが、消費者余剰は主観によるもので、
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「デジタル資本主義」とは何か
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