書評「コンビニ外国人」

コンビニ外国人 (新潮新書)
普段使っているコンビニで、外国人の店員を一度も見たことがない、という人は恐らくいないだろう。公式に移民は受け入れていないはずなのに、彼らは一体どこからどういったルートで、何を求めて日本にやってきたのか。
タイトルは「コンビニ外国人」とあるが、コンビニをとっかかりとして、ひろく日本全体の外国人労働者の現状についてコンパクトにまとめた良書だ。
世界基準では1年以上滞在すれば移民という扱いになるが、日本政府は「永住権を持っている外国出身者」のみを移民と定義している。だから、日本語学校等に留学しつつバイトをする外国人や、技能実習制度を通じて農家や工場で働く外国人はこの十年で約2.6倍に増加し、128万人に達したが、政府のスタンスとしては移民受け入れは拡大してはいないことになる。ただ、世界基準でみれば、既に日本は世界TOP5にランクインする外国人労働者受け入れ大国だ。
コンビニでおにぎりを売っている店員はもちろん、おにぎりを作っている工場で働く労働者も、いや、海苔やおかかを加工している労働者も、実は外国人労働者かもしれない。現実問題として、日本は彼ら外国人労働者無しではやっていけないほど働き手が不足しているのだ。
技能実習生の過酷な就労環境はしばしばニュースになるが、留学生も相当シビアだ。「留学生のバイトは週28時間まで」という縛りがあるから、学費を
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