6月5日と6日の欧米市場の動きは、金融市場の気まぐれというか、揺れ動く市場参加者のマインドがどのように変わってくるのかを見るのに良い事例となりそうである。これを参考に相場の動きの違いは何で判断できるのかを私なりに解説してみたい。
5日と6日にイタリアの国債は大きく売られた。しかし、その背景については別なものであった。ちなみに5日のイタリアの10年債利回りは2.76%と前日の2.50%から大きく上昇し(国債価格は急落)、6日のイタリアの10年債利回りは2.90%に上昇していた。
これだけをみるとイタリアの政治情勢が要因とみられておかしくはない。イタリアでコンテ首相率いるポピュリズム政権が発足したことで、積極的な財政政策を行う可能性があり、ユーロ離脱に向けた動きを取る懸念が存在する。コンテ首相が所信表明演説で国民に急進的な変革をもたらすと約束したことで、新政権はもう少し慎重な対応をとるのではとの期待が後退し、5日のイタリアの国債が急落したのは確かである。
それでは6日のイタリア国債の下落も同じ要因によるものではないかと言えば、もちろん全く影響がなかったわけではないものの、それ以外の要因によるものと見ざるを得なかった。
それが良くわかるのが、同じユーロ圏の他の国の国債の動きとなる。5日にドイツの10年債利回りは0.36%と前日の0.41%から低下した。イタリアの国債が売られ、中核国のドイ
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イタリアの国債の動きにみる市場参加者のマインド変化
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