今度あなたが箱入りの果物を買ったりもらったりしたら、その中にはそっくりさんがひとつ入っているかもしれない。そのフェイクフルーツは、箱の中のプラムの温度や動きや衝撃を調べたり、桃の糖度と硬度が適切で傷んでいないことを確認したりする。
スイスのFederal Laboratories for Materials Science and Technology(国立物質科学技術研究所)が作ったEmpaは、3Dプリントで作ったリンゴで、中にいくつかのセンサーがあり、本物のリンゴの群れの中に身を隠す。大きさも形も色も重さも本物のリンゴと変わらないから、箱詰め作業をする人がとくに気にする必要がない。
最初のモデルは温度センサーだけだが、今後はもっといろんなセンサーを詰め込む予定だ。するとこのロボットリンゴはほかのリンゴたちと同じ体験をするから、彼らが受ける扱いを、センサーが感取し記録できる。そして消費地のお店などは、そのデータをチェックする。
このプロジェクトはJournal of Food Engineeringで紹介され、“本物のリンゴと同じように温度に反応するフルーツシミュレーター”、と説明されている。そして、“コールドチェーンの全過程における果肉の温度履歴をモニタできる人工果実”、だそうだ。果物の流通技術における、画期的な発明かもしれない。
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3Dプリントされた果物が本物の果物をよりおいしくする
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