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そのイスには人が座っている?――MITが開発する視覚補助ウェアラブル端末

視覚障害者が使用する白杖は、シンプルなツールであるにも関わらず、非常に長いあいだ廃れることなく利用され続けてきた。この1世紀でテクノロジーは飛躍的に進歩したにもかかわらず、先端に金属片がついた棒に取って代わるようなアイデアが生まれてこなかったのだ。しかし、MITのリサーチャーたちは、この問題の解決策となるウェアラブル・システムを開発中だ。いつか、装着者の能力を拡張するそのツールが白杖の代わりに利用される日が来るかもしれない。
このシステムには3Dカメラとコンピューターが搭載されていて、首から吊り下げて利用する。搭載されたカメラが障害物を認識すると、周期的な振動によってその位置を装着者に伝える仕組みだ。システムに取り付けられたモーターが生み出す振動のパターンは多種多様で、それにより障害物までの距離など様々な情報を装着者に伝えることができる。
開発チームによれば、振動を伝えるベルトを装着する場所は腹部が最も適しているという。腹部は適度な感度をもち、かつ他の感覚によって情報伝達が妨げられることがないからだ。また、視覚障害者は周りの状況を把握するために聴覚を研ぎすませることが多いことから、初期のテストで音による情報伝達機能をシステムから排除したという。頭や首の周りから絶えず音が出ていれば、装着者の気が散ってしまうことは容易に想像できる。
システムには物体認識機能と点字が浮き上がる専用のパ

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